Tinypath〜日々書き綴る

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この庭は広すぎる。という感性

髪の毛を切った。
担当してくれるスタイリストの異動に伴い、
梅田から心斎橋へ。

久しぶりの心斎橋の街。
ブランドショップの立ち並ぶ御堂筋。
一本筋を裏に入れば、商店街。
街の顔は、ごろりと変わる。

午前11時前の心斎橋は、開いている店は、ドラッグストアのみか。
そうかと言って夜の閉店時間が遅いわけでもなく
商店街は、8時ごろには閉まるという。

梅田という街と比べるものなんだが、
心斎橋という街が、なんとなく光を失ったように感じてしまった。
もう少しおしゃれな街ではなかったかな。

旧正月も重なり、ただでさえ多い中国人観光客が
溢れかえっている。

難波あたりは、もう、日本人の街には思えないし、
そこに集う人々で、街の雰囲気は徐々に変わっていく。
街は、建物だけ出来ているわけではない。

秋の御堂筋を歩いた思い出を感じながら
悲しいけれど、ヘアーカット以外に、この先行くことはないだろうと思った。

美容室から覗く、御堂筋。
万博もあるし、綺麗になっていくはずであろう御堂筋。

ある雑誌で紹介されていた映画の情報だけ、心に留めて
あとは、ただ車の流れをじっと見ていた。

その映画とは、「モリの居る場所」という邦画で、
山崎努さん演じる94歳の伝説の画家モリと
樹木希林さん演じる妻秀子さんの話である。

画家熊谷守一さんは、50歳を過ぎてから認められ、
晩年の30年間は一歩も家から出ずに過ごし、
家の庭の動植物を描いた。

「行ってきます!」とモリが言うと「行ってらっしゃい」と秀子がおくる。

さて、どこまで行くのかと思えば、
縁側で、見送る秀子、モリが出かけるのは、目の前の家の庭。

一つ一つ丁寧に見る植物や虫や動物。

周りでは、色んな人がやってきたり、騒動が起こったりして、
ごった返しているが、彼らの生活は変わらない。
そんな中、マンション建設という話になり、
彼らの生活も穏やかではなくなった。

日が当たらなければ、庭に住んでいる動植物はどうなるのか。。。

その後の内容は知らないが、最後にモリが伝える言葉として、
「この庭は広すぎる」とつぶやくというものだった。

私達はそんなに丁寧に
この世に慈しみを持って、生きているのかと思った。

じっと見ていた御堂筋の大きな道路。
目の前には、ただ 色彩感覚から外れたような車ばかりが走っていた。






... 2019 / 02 / 17 (SUN)


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