Tinypath〜日々書き綴る

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旬を食らう

長く停滞していた日々が
少し速度を上げて、過ぎていく気がする。

1秒、1分、1時間、1日
いつでも正確に時は刻まれていくのに
自分時間の中では、
スピードが色々違ってくる。

プレシャスタイム


カニの解禁は、ニュースで知っていたが
昨日、たまたま市場で
親ガニが売っていたので、買った。

せこがにともいうらしいが、
私には、慣れ親しんだ親ガニという呼び名が、しっくりくる。
松葉ガニのメスで、漁期は短い。

私にとっては、どんなカニよりも親ガニが美味しいと思う。

小さな頃の記憶というのは、
原体験として残るから、すべてにおいて強烈に意識下におかれる。

遠い遠い記憶の断片。
当時、父の友人のカニ獲りの漁師だった人が
獲れたばかり、港についたばかりのカニを持ってきてくれた。
いつでも、一番に届けられたその想い。

顔も覚えているわけでもないが、
漁師の人の名前だけが記憶に残り、カニの美味しさの原点となっている。

過酷な漁の世界。
男の世界ならではの人柄。

今年初めて
旬の親ガニを湯がいて食べた。
オレンジ色の味噌の美味しさは、濃厚で格別である。

食べること〜
普段は、なんらそうそう思いもしないことであるが、
カニ一匹を目の前にして
食らいつく自分を思えば、
綺麗ごとではない本能を思った。

完成品としての過程がわからない食品ばかりのなかで、
失った何か。

... 2018 / 11 / 10 (SAT)


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